第3分科会

生活に迫る闇に光を照らす!
~定型的な債務整理から一歩ふみ出す司法書士のカタチ~

全青司 生活再建支援推進委員会

開催趣旨・目的

われわれ司法書士は、これまで任意整理や自己破産、個人再生などの債務整理手続を支援することにより、多重債務問題をはじめとする生活再建に取り組んできたことは既知のとおりですが、過払い金返還請求事件数の減少とともに、司法書士によるこれらへの関与も薄れているのではないでしょうか。
しかしながら、物価は上昇するにもかかわらず賃金は横ばいで人々の生活は向上せず、そこに新型コロナウイルス感染症の影響もあって収入が途絶えるか著しく減少し、生活が困窮している人々が増加しているという現状で、司法書士が人々の生活再建に関わっていく意義をあらためて問われているように考えます。
生活に困窮した人々は必ずしもカードローンやキャッシングのみを利用するわけではなく、これらを利用できない人々の一部は、藁にもすがる思いで無登録貸金業者(以下、「ヤミ金業者」といいます。)を利用することも十分に考えられるところです。
近年のヤミ金業者は、「給与ファクタリング」や「買い取り金融」といった、一見合法な商取引に見せかけた手法によって法の目を掻い潜ろうとしており、われわれ司法書士もこれら最新の手口に対処していく必要があるのはもちろん、そもそも人々がヤミ金業者の手口に陥ることがないよう、相談者の家計や就労支援のアドバイスなど、法的手続に付随して積極的に関与していくことも、生活再建の一助になるものと考えます。
われわれ青年司法書士は、一人一人の業務においてはもちろんのこと、単位青年会、そして全青司という団体をもって、多くの多重債務問題に対して積極的に取り組んできました。
そこで、これまでの諸先輩の歩みをふりかえり、現代社会で横行している最新のヤミ金業者の手口や問題点を学びながら、日々の生活に苦しむ人々にとって真の意味での「生活再建」、そして、債務整理業務における司法書士の「ふみだす一歩」とは何かを共に考えるべく、本分科会を開催いたします。
多重債務問題に取り組んでいきたいと考えている青年司法書士がまずは一つの相談にふみだすこと、あるいは定型的な債務整理業務を超えて生活再建に取り組みたいと考えている青年司法書士がさらに一歩ふみだすこと、その背中を押すことができるような分科会を目指してまいります。

講師プロフィール

山下正悟氏(買い取り金融対策全国会議 事務局長・司法書士)
平成22年度司法書士試験合格。平成23年度簡裁訴訟代理権等認定考査合格。平成24年司法書士やました法務事務所を開設。大阪青年司法書士会会長などを歴任。
開業以来、債務整理問題に積極的に取り組み、大阪いちょうの会(大阪クレサラ・貧困被害をなくす会)の幹事として、活躍されてきた。
2021年12月、発起人として「買い取り金融対策全国会議」を立ち上げ、買い取り金融をはじめ、いわゆる「新型ヤミ金」で被害を受けた市民の方々を救う活動を日夜続けている。

研修内容

基調講演
全青司の研究・活動報告
パネルディスカッション

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