司法書士後見業務日誌
~成年後見業務への挑戦のために-未来の司法書士像へふみ出す一歩~
兵庫県青年司法書士会
開催趣旨・目的
成年後見業務未経験または経験の浅い会員を対象とし、後見業務の受任から終了までの実例紹介およびグループワークを通して後見業務の進め方につき理解を深めていただき、後見業務への挑戦を後押しします。
研修内容
第1部 実例紹介
業務遂行におけるステージ毎に、基本となる条文等があれば確認のうえ、実例を紹介していきます。講師が実際にどのように業務を行っているのか、を中心に紹介を行います。生講義だからこそ実現できる、教科書的ではない説明を通して後見業務の具体的イメージを持っていただき、新たに後見業務を行おうとする際の足掛かりとなることを目指します。地域性(兵庫県阪神地区)が出る可能性がありますがご了承ください。
(実例紹介の概要)
後見業務の受任:申立書類作成代理を担い、かつ自身を後見人等候補者として受任する場合。裁判所から司法書士を候補者とする推薦依頼があった場合に、リーガルサポート支部を通じて受任する場合。
受任から就任まで:審判確定までの過ごし方。
就任直後の業務:裁判所での資料閲覧、業務の優先順位の確認、金融機関への届出、財産目録の調製、裁判所への就任時報告、事例に応じた個別対応など。
定期業務:財産管理の実例紹介(預貯金や不動産をどのように管理しているのか等)、身上監護の実例紹介(どれくらいの頻度で被後見人等に会いに行き、どのようなことをしているのか等)。
臨時業務:実例紹介。不動産の売却、相続、転居、入退院、施設入所などの際に実際に行なっていることを確認します。
終了業務:本人の死亡時の対応(容態が急変したら?遺体は?葬式は?)、裁判所への報告、相続人への引継ぎ(誰に、何を、どこまで引き継ぐ?その際の注意点は?)。
第2部 グループワーク
後見業務には絶対的な正解がありません。新たな問題や選択肢に遭遇するたびに悩むことを繰り返すことこそが後見業務の日常です。ベテランの司法書士であっても、仲間に相談しながら、ベストとはいえないまでもベターと思える選択をしています。
第2部ではグループワークにおいて絶対的な正解のない問題に対する個人の答えを突き合わせ、よりよい解決方法を導き出す体験、訓練を行うことを目的とします。いくつかの設問を検討することで、後見業務の本質部分ともいえる「悩む」ことに慣れていただくことが狙いです。立ち止まって悩むことができれば、後見業務に挑戦することができるでしょう。
講師:司法書士 荒木 経則先生 兵庫県司法書士会